スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[--/--/-- --:--] | スポンサー広告 | page top
人事制度のメッセージ性 【鈴木 泰大】
 先日、昨年人事制度を構築して、現在運用のお手伝いをしているお客様から
 昇格の際のアセスメントを作るご依頼をいただきました。
 最近では昇格や昇進についてのご相談が増えていますが、特に管理職への登用に
 関するお問い合わせが多いのは、厳しい経営環境の中で組織の核である管理職に
 対する周囲からの要求の高まりの現れでしょうか。

 管理職のアセスメントというと、能力適性試験や経営課題に関する論文と
 いったものが一般的ではありますが、前述のお客様では、会社の目指す姿や
 大切にしたい価値観を共有したいということで、経営数値や課題などだけでなく、
 企業理念やビジョン、新人事制度の中で明記している求める人物像について問う
 内容になりました。
 後日そのお客様のところに伺った際に、ある社員の方から「鈴木さん、
 試験出来ましたよ。これが大事だと思うところを覚えたらバッチリでした。
 改めて会社のことを考えることになって良かったです。」と目を輝かせながら
 お言葉をいただきました。

 管理職アセスメントの主な目的は、管理職になりえる人材かどうかの適性を
 見極めること、人材レベルを一定に担保することにありますが、一方で管理職に
 会社の期待や価値観を伝え、自身が組織の核であるという意識付けができる
 という効果もあります。
 前述のお客様ではまさにその効果が現れたのではないでしょうか。

 人事制度は組織のシステムとして一定のルールのもとに機能することが
 求められますが、他のシステムと異なり対象が「ヒト」であるために、
 固定的ながんじがらめのルールにしてしまうと、上手く運用できない場合が
 多々あります。
 人事制度を単なるルールとして捉えてしまうと、それはゆとりの無い機械的な
 「仕組み」となり、結果として処遇決定のみに使われ、最悪の時には
 あっという間に形骸化することさえあります。「ヒト」は「モノ」とは違い、
 それぞれに個性があり、一定の働きかけで多数に同じ動きを促すことはできない
 ということです。

 人事制度においては、「ヒト」が対象であるがゆえに、それを構成する一つひとつの
 要素に「意味」や「メッセージ」を持たせ、それを伝える運用をすることが
 必要なのです。弊社のセミナーにお越しいただくお客様からも人事制度が形骸化
 しているという話をよく聞きますが、その原因は人事制度にメッセージ性がない、
 もしくは薄れているということにあるのかもしれません。あるいは人事制度に
 メッセージが盛り込まれていても、その影響力は時間の経過とともに薄れて
 しまうので、なぜその形になっているのか、どういった意味があるのか、
 その意図は伝わらなくなってしまったのかもしれません。そういった意味では、
 前述の昇格アセスメントのように、定期的にそこにあるメッセージを考え直す
 機会も必要と言えるでしょう。

 弊社で人事制度を構築する際には、機能的であるということはもちろんのこと、
 そこにどのようなメッセージを込めるかを大切にしています。
 通常、人事制度は社内の一部の方が構築することになりますので、構築に
 関わった人が伝えたいメッセージは、残念ながら同じ温度で他の方には伝わりません。
 しかし、それらを考え共感する仕掛けを随所に持つことで、人事制度はより活きた
 ものとなると考えます。
 そういう意味でこれからの人事制度は、機能というドライな面と、人を対象と
 するがゆえに必要なウェットな面とのバランスを上手くとることが、ますます
 重要になってくるのではないでしょうか。
スポンサーサイト
[2010/11/26 11:30] | 人事制度 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
個を活かす人事制度 【鈴木 泰大】
昨今、人事制度の考え方に変化があるように思います。
具体的には経営環境が厳しい中で組織のパフォーマンスを上げるために、
組織全体の力だけでなく個々人の力に注目し、更に活かしていこうという
考え方が強くなってきているということです。

人事制度というと、全社システムであるが故に、社員に共通のことを求め、
ある意味で公平に対応することが求められますが、社員の個別具体的な事情に
対応しているかというと多分に余地が残っているように思います。

例えばコンピテンシーのように、予め評価の指標が決まっていて、
それを体現することが求められるという制度は、見方を変えれば金太郎飴的な
社員を求めているようにもとれ、個々人が持っている強みを活かしきれない
とも言えるかもしれません。
それは、人事制度における基本的な考え方が、マイナスを改善することで
一定のパフォーマンスを維持しようということ、あくまで指標ごとに
一定レベルを満たそうことが目的に偏っていて、ひとつのマイナスを
別のプラスでカバーするという考え方になっていないことが原因と
考えられます。

しかし、真に人的資源の最適化を考えるとすれば、単にマイナスを
埋めるだけでなくプラスを伸ばす、もしくはプラスでカバーするということも
 必要です。
組織として最低限守るべき部分については、出来なければマイナスもあると
思いますが、出来ていることを発見し、伸ばし、活用していくことが組織の
パフォーマンスを上げる上では更に重要ではないでしょうか。

最近の人事制度のテーマとして「多様性への対応」ということがよく挙げられます。
一見個々の強みを活かす制度のように見えるのですが、実際の導入目的は問題を
解決するといった感が強いと思います。
いわゆるマネジメントとスペシャリストの複線型人事制度が代表的ですが、
どちらかと言うとスペシャリストの専門性を活かそうということではなく、
マネジメントのポストに限りがあるので、頭打ちへの対応としてスペシャリストで
処遇しようという場合が多くあります。
そういう意味で対処療法的に道を探っている感は否めません。

では、「個を活かす人事制度」とはどのような制度なのでしょうか。
ポイントは3つあると考えます。

一つ目は、『全社で共有すべき価値観が盛り込まれていること』です。
個々人の強みを活かす前提では、それを組織の力として収束していく
機能を持たせることが必要です。
そのために全社の目指すべき姿や共通の考え方のエッセンスを制度に盛り込み、
メッセージとして伝えることで共感を生み、個々の力が一定の方向に向かう
 ように全体の方向付けをするのです。

二つ目は、 『個々の強みにフォーカスする仕組みであること』です。
出来ないことよりも、出来ることに着目し、一定レベルから積み上げることを
評価対象とすることで、個々の強みを活かすことになり、ひいては自律的な
姿勢を生み、行動の継続性を増すことにもつながります。

三つ目は、『個々の力を日常的に方向付けられる評価者がいること』です。
制度は所詮ツールですので、効果的に運用できる評価者、つまり物事の
プラスとマイナスをバランスよく捉えることができ、方向がずれた時に
修正できる評価者が必要だということです。

組織としてどんなに素晴らしいビジネスモデルを持っていても、
それを活用する「ひと」が最適化されていなければ、継続的なパフォーマンスを
発揮することはできないでしょう。
これまでの人事制度は、どちらかというと「公平」という名のもと、全社共通
という考え方が基本でありました。しかしこれからの人事制度は公平性を
維持しつつ、いかに個々の特性に細かく柔軟に対応し、活かしていくかが重要な
テーマになるのではないでしょうか。
[2010/11/05 10:11] | 人事制度 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
理想と現実の狭間で 【鈴木 泰大】
 先日、目標管理制度を運用しているお客様の中間振返り会議に陪席しました。
 会議の目的は、10月末から予定している目標の中間振返りを効果的に行い、
 期末の全社目標達成に向けて適宜個人目標や行動の修正を図るということ
 でしたが、会議の中で管理職のお一人から「そこまでやらなくていいのでは
 ないか」という声が上がりました。当初のルール通りに中間振返りをすれば
 時間と労力がかかるので、それよりも通常業務に時間を割きたいということ
 なのです。
 結果的にその場で「やはり理想の姿で実行すべき」との声もあがり、
 全体調整の上で当初のルール通りに実行するということに決まりましたが、
 人事制度の運用においては、このような形で形骸化していくことが多々あります。

 人事制度というと、組織の理想の姿や求める人材像を描き、それを実現するため
 のものでありますが、理想ばかりを追求したものにしてしまうと、現実がついて
 来ず、結果的に運用できなくなってしまいます。
 しかしだからと言って、理想を捨てることは出来ませんので、理想と現実の
 バランスをとることになり、そこに人事制度構築の難しさがあります。

 では、現実を踏まえて理想の姿を実現するにはどのようにすればいいので
 しょうか。理想の姿に近づくためには、以下の3点が必要であると考えます。

 1.実行すべきことを取捨選択し、理想に向けて段階的に変更していく
 2.人事制度を日常業務の中に落とし込む
 3.人事制度に盛り込まれた組織の考え方を継続的に発信する

 人事制度は、組織の理想の姿に合わせたものにするというよりも、
 そこに近づくためのものと捉えて、はじめから段階的な微修正を視野に入れて
 構築した方が、結果的に理想に近づきやすくなります。制度構築には大変な
 労力がかかるので、一度出来上がるとそれに固執する傾向がありますが、
 はじめの段階ですべきことやできること、今後すべきことを明確にし、
 制度自体も柔軟に変更していく姿勢が必要と言えるでしょう。

 また、「制度が運用できないのは業務が忙しいから」という言葉に象徴される
 ように、人事制度の運用は通常業務とは別物として捉えられがちです。
 人事制度の運用を通常業務外としないためには、日常業務を進める中で常に
 意識できるようなものにすることが必要です。
 冒頭の目標管理制度の運用でも、ひどい時には期初に立てた目標を次に見るのは
 期末の評価時ということがよく聞かれます。目標管理を業務のマネジメントツール
 とするなど、人事制度を日常で活用できる構造や運用方法にしておくことが
 必要なのです。

 さらに、人事制度には組織の考え方を随所に盛り込まれ、それに共感できれば、
 そこに個々人が価値を見出し、自立的な運用につながり、結果的に理想の姿に
 近づくことになりますが、そうした考え方は一朝一夕に共感が得られるかというと
 そうではありません。
 最近はソフトランディングするために、新しい制度を正式導入する前に現行制度と
 あわせて一定範囲で試験運用することが多くなりましたが、そこでも基本的な
 考え方や構造の理解はできるものの、組織の価値観といった深い部分まで
 100%共感できるかというと、そうではないのが実情です。
 やはり制度以外の社内施策に同様の価値観を一貫して盛り込み実践するなど、
 継続的に会社側から価値観を発信し、定着させていくことが必要なのです。

 人事制度は理想の姿を実現するために有効な手段ではありますが、
 いきなり理想の姿を追求しすぎてしまうと、たちまち意味のないものになって
 しまいます。はじめから理想と現実のバランスを考慮して構築・運用をしていく
 ことが、理想の姿を実現するための第一歩と言えるのではないでしょうか。
[2010/10/15 14:34] | 人事制度 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
人事制度を見直すタイミング 【鈴木 泰大】
人事制度の改定は、何かしら解決すべき課題があるときに行われるものですが、
大きく二つに分けられます。一つは既に事実として起きている課題への
対処療法的 見直し、もう一つは将来想定される課題への予防措置的見直しです。

実際にあった最近の制度改定のご要望としては、

①できる社員のモチベーションが下がっており、処遇にメリハリをつけたい。

②マネジメントの指導力が弱く部下が育っていないので、部下が自立的に
成長できる環境に整えたい。

③合併した2社の異なる文化や処遇等を統一し、全社一体となってシナジーを
出していきたい。

④売上の伸びが見込めないので、より柔軟にコストコントロールできるように
したい。

⑤今後の企業規模の拡大に向けてマネジメントが効かなくなる可能性があるので
制度でカバーしたい。

ご要望としては様々でありますが、①②は対処療法的見直し、
③~⑤は予防措置的見直しです。

前者の場合は、すぐにでも制度改定に取り掛かり、目下の課題を解決するという
ことになりますが、後者の場合は、今本当に制度を見直しすべきかを迷った結果、
様々な事情があって今やらなくても良いと後回しにされることがあります。

人事制度の見直しというと、時間もコストもかかることなのでタイミングを十分に
検討することは当然必要です。数ヵ月後に事業や組織の大きな変化があるような
場合には、その後に見直しをした方が良いと思いますが、実際には漠然とした
理由で後回しにされることが多いように感じられます。
何も人事制度全般を多大な時間とコストをかけて見直さなくても、制度の一部を
改定する、運用の仕方を変えるといったマイナーチェンジで済むこともあるのです。
現状を見極めずして、結果的に対処療法的改定になってしまうことが意外と
多いのではないでしょうか。

多くの制度改定のお手伝いをしてきましたが、業績の上がっている企業様ほど、
早めに手をつける傾向が強いと思われます。もちろんコスト的な余裕があるという
ことも理由の一つかもしれませんが、それだけではありません。
将来を正確に読み取り、事前の対応ができていることも業績が伸びている
理由の一つだと思われます。

将来想定される課題は、先延ばしにすることで状況が変わり、問題にならない
こともあるかもしれませんが、大抵の場合事態が悪化することの方が多いでしょう。
そう考えますと、やはり人事制度を定期的にチェックすることは必要だと考えます。
自社の目指す姿やビジョンと、現在の人事制度の考え方が合っているかを定期的に
チェックし、早めの対応をしていくことが必要と言えるでしょう。

そうすることで、自社の成長が停滞した後の対処療法的な制度改定を避けるだけでなく、
自社の成長や社員のパフォーマンスの向上が加速する土壌をつくることにもつながると
考えます。

人事制度というと、実際に問題が起きてからでないと改定を実行に移しにくい
ものであることは間違いないのですが、現時点で未来を見据えて、
そこに向けた準備を進めることも必要です。
なぜなら、人事制度はその効果が出るまでに時間がかかる場合があるからです。
[2010/09/03 11:30] | 人事制度 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
人事制度に見出す自身の存在意義 【鈴木 泰大】
 先日、組織変革のお手伝いをしている物流会社でワークショップを行いました。
 そこでは組織変革の一環として企業理念を社員参加型で構築したのですが、
 今度はその新たな企業理念を人事制度に落とし込む過程で社員の意見を
 吸い上げ、反映させようという素晴らしい試みです。

 その中で、理念を踏まえて自社の存在意義を考えるワークを行ったところ、
 ある参加者が「世界平和」と答えていました。究極的に考えれば、
 それもひとつの答えだと思いますが、それを日常業務の中でどれだけ意識し
 目指せるかというと、かなり難しいのではないかと思います。

 世界平和や社会貢献、新たな価値の創造といった魅力的な言葉をいくら
 並べ立てても、日々の中で意識できないものであれば、それが日常業務に
 良い影響を与えることはなく、逆に崇高すぎて違和感を覚えることさえ
 あるかもしれません。
 しかしそれは、目指す姿が崇高なものだからではなく、掲げたものと生々しい
 日常の業務や職場環境とのつながりが意識できないことに原因があると
 考えられます。

 理念や組織目標を全社で目指す姿として掲げ、そこに行き着くために必要な
 ことを行動指針として行動レベルで具体化することは多くの組織が行って
 いますが、どれだけの組織で全社員がその価値に心から共感しているでしょうか。

 人事制度においても、目標管理制度で全社目標や戦略を個人目標に
 ブレイクダウンすることを多くの組織が行っていますが、本当に個々人が
 全社目標を意識して仕事をしているかというと疑わしくなります。
 多くの人が自身の業務範囲を低く見積もってしまい、それ以上はしないという
 ことになっているのではないでしょうか。
 そのような状態になってしまっては、社員ひとりひとりのベクトルがばらばらに
 なり、組織で働くシナジーが失われ、目指す姿の実現や目標の達成など、
 とても覚束ないものとなってしまいます。

 人事制度も組織の目指す姿や達成すべき目標、戦略が落とし込まれ、
 個々人の働く意味が込められていますが、大抵の場合、制度は与えられたもの
 として社員に受け取られますので、社員自らがそこに込められた意味を考える
 ことなく、組織の目指す姿は絵に描いた餅になってしまい、社員は社内に
 自身の価値を見出せず日々を過ごすことになってしまいます。

 制度運用が上手くいかない理由のひとつも、社員が制度に込められた意味を
 理解していないことにあります。人事制度を構成する細かな要素の一つ一つに
 意味があり、それが自社にとって自分にとってなぜ必要なのかを考える機会が
 ないために、制度が経営から押し付けられたもの、業務外の仕事として
 捉えられ、やらされ感で運用されることになってしまうのです。

 皆さんの組織の人事制度には、どのような意味が込められていますか?
 評価項目があると思いますが、なぜそれを評価しているのでしょうか?
 もし答えに迷うようであれば、是非組織の目指す姿や現状を今一度考えて
 みてください。あるいは制度の趣旨や項目のひとつひとつの影響を
 考えてみてください。答えが見つかれば、きっと皆さんの日々の働き方にも
 変化があるのではないでしょうか。

 冒頭にご紹介したお客様では、理念を行動レベルで理解し、その必要性を
 じっくり考えていただきました。恐らくこれから新制度を運用していく中で、
 そこに具体化した人物像や評価項目の本当の意味を理解していただき、
 日々の仕事に意義を見出していただけるのではないかと楽しみにしたいと思います。
[2010/08/06 12:00] | 人事制度 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
| ホーム | 次のページ>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。